出光興産の創始者 出光佐三氏をモデルにしたリアル小説

皆さま、このGWはいかがお過ごしでしたか?後半はお天気がいまいちでしたね。私は普段はなかなか会えない友人と会ったり、夏物の衣類を出したり…そうそう、読書もしました。言わずと知れた話題作「海賊と呼ばれた男」です。これは出光興産の創始者 出光佐三氏をモデルにしたリアル小説です。彼は人材は宝と考え解雇はしない主義。実際、第二次大戦後の混乱期に1,000人の従業員を1人の解雇者も出すことなく乗り切りました。

彼の会社には、出勤簿(タイムカード)はおろか、就業規則も労働組合も解雇もありません。理由は徹底して部下を信じているからであり、部下は自分の家族と考えているから。争う相手ではないからそこに規則はいらないと考えているのです。

ただ、労務管理のプロとして、経営状態が本当に思わしくないとき、整理解雇(会社を倒産させないためのやむを得ない人員整理)をしないのは並大抵のことではないと思います。それに、社員を辞めさせずに給料を出すためには、相応の利益を上げなくてはいけないわけで。国岡氏(出光佐三氏の小説内の名)は、相当強引な手法で商売をしてるんだと思ってましたね。小説を読む前は(汗)

彼が成功した理由

確かに国岡氏は権威を嫌い、誰もが恐れる巨大権力に対しても身体を張って突き進むことがありました。でも後ろ暗いことは何一つしていなかったのです。私は彼が成功した理由は以下のように思います。

  1. 先見の明があった…石油が近い将来、日本の発展に欠かせないと見抜き、利益につなげたこと
  2. 大局観が秀逸で戦後の混乱期に会社の利益のみならず国益を常に意識…彼を意気に感じた周りが助けてくれたこと
  3. 恩人や部下を徹底して大切にし絶対に裏切らない…だから部下たちが身体を張ってついてきた。そこから広がる人脈にも助けられたこと

ベースにはまず理念が必須

お金がなければ「ない袖は振れない」。確かにその通りです。でも袖がないなら、新たに袖を編み出せばいい、皆が幸せになる袖を皆で編み出せばいい。でも、私利私欲にまみれていては人はついてきません。袖を編み出すためには、皆がついてきてくれる確固たる理念が必要だと思うのです。

「海賊と呼ばれた男」百田尚樹 を読みました